好きなことを貪欲に追求する

インタビュー by まり

  • E.L.さんの基本情報
進学先 Columbia University(コロンビア大学)
専攻 コンピューターサイエンス
副専攻 脳科学
海外滞在歴 2年半
GPA(4段階) 4
TOEFL・IELTS TOEFL 115点
SAT・ACT SAT Reading 740 Math 800
主な課外活動・受賞歴 研究(国際学会で論文発表)、ロボコン、ロボット工作部創立、 パソコン甲子園、宇宙開発関連の研究、研究発表、機械学習大会 大学ロボコン優勝、 パソコン甲子園2位、宇宙開発関連の研究発表会ファイナリスト、機械学習大会三位、SSH(研究発表会)最優秀賞
合格した大学 (米)Columbia Engineering, Johns Hopkins University, Duke University
(日)筑波大学情報科学科 <一般入試>
卒業年度 2021-2025
出身高校 首都圏私立
IB・AP どちらも受けていない
受験校数 合計11校
 (米)リサーチ大学10校
 (日)国立1校 <一般入試〉
  • 受験する際に、大学でやりたいことは決まってましたか?それに興味を持ったきっかけはなんですか?
  • 人間の「意識」というのはどういう仕組みなのかという疑問に興味があり、脳科学とコンピューターサイエンスの間にある分野:計算論的神経科学を学びたいと思っていました。

    きっかけとしては中学二年の頃に観たSF映画の影響が大きいです。アイアンマンという架空のキャラクターが出てくる映画で彼が自分の意思や意見を持ったまるで人間のような人工知能に憧れ、将来いつか自分もこんなシステムを作ってみたいと思うようになりました。
  • 海外大学進学を考えるようになったきっかけはなんですか?
  • 海外大の方が学部生として早い段階から研究できる機会が多いことです。特別に教授の下で研究を始めた高校一年の頃に思ったのはやはり大学でも常に研究を続けたいと思っていたので、その願いが叶えられる米国のリサーチ大学に進みたいなと思いました。

    また、自分が全く触れたことがなく知識が乏しいような分野に興味がある人がいる環境で勉強したかったからです。理系分野でも特にコンピュータサイエンス・機械学習などに知識が集中してしまって他の分野の教養が欠けていることに気付いたので互いに刺激しあうことができる海外大学進学への道がますます固まりました。
  • どうやって志望校を決めましたか?
  • 自分の興味ある理系分野を集中的に学べ、研究の機会が多いリサーチ大学に焦点をあて大学調べをしました。

    やはりデパートメントの質が一番簡潔にまとまっている大学のランキングまとめサイトを使って、コンピューターサイエンスと脳科学の分野における順位が高い大学をいくつか選抜しました。そこから、各大学でどのような研究が重視されてるか・研究費がどのくらい当てられているか・論文の発表数などを参考に考えたり、どういった分野の研究をしているラボがあるのかを調べました。

    他に重要視したのは特定の分野のデパートメント内ではどのような研究を行なっているのかということです。例えば、脳科学が強いデパートメントがある大学でも脳科学内でも興味がある特定の分野の研究が行われていないとなると進学する意味が薄れると思ったので具体的な研究分野にも目を通しました。
  • 海外進学に関して、周囲からの反対はありましたか?
  • 両親からはありませんでしたが、学校からはありました。というのも、僕の高校は文系と理系に完全に分かれていて国内受験に力を入れている他、ここだけの話ですが学年内でのT大学への推薦も僕が先生方に勧められていたので、高校時代はずっと海外大進学に関して考え直して欲しいと言われていました。
  • エッセイに書いたことの中で印象的なものはありましたか?
  • コモンアプリケーションでは来日した小学校三年生から今までの自分の人生に関して書きました。
  • 課外活動はどのようなことをしていましたか?
  • 主要なものは3つありました。


    1. 研究(国際学会で論文発表)


    高校一年の頃にダメ元で自分のアイデアと知識量を記したメールを某大学の教授に送ったところ、本来なら大学生しか受け付けない研究室に教授との面接と入ラボ試験を受けて合格して特別に入れてもらうことができました。そこから二年半教授の下で研究を続け、ようやく成果が出た高校三年の初めにとある日本最大規模の人工知能の国際学会で論文を提出し、受諾されたので論文発表およびその年は新潟県での開催だったその学会でプレゼンを行いました(オンラインではページ制限により略版が乗っています)。


    2. ロボコン(FRCキャプテン)


    アメリカの会社「FIRST」が主催している国際ロボコン「FIRST Robotics Competition」の日本少数のチームのキャプテンを務めました。チームとは高一の頃のイベントで出会いその場で入れてもらって製作班に加わり、高二の頃にチームのリーダーを務めました。


    本来学校や施設がサポートしてプロのエンジニアがメンターとしてつくFRCのチームですが、僕たちのチームはただ工作好きの高校生が集まっただけの団体だったので、クラファン・企業訪問を通して300万円超の資金やメンターを集めて大会に挑みました。とはいえ、大会の結果自体は喜ばしくない結果では終わってしまいました。


    3. クラブ活動(ロボット工作部創立など)


    学校でロボット工作部を中三の頃に創立したり、コンピュータ部の副部長を務めました。ロボット工作部では後輩にプログラミングと電子工作を教えるための教科書を作ってみんなでロボットを作ったり、コンピュータ部では後輩が使用できるデスクトップ数がかなり限られていたのでリサイクルボックスに入っていた昔の先輩が使ったパソコンのパーツを組み立てて支給しました。


    他には宇宙開発関連の団体も友人とともに創立してS -ISEFという大会にも出たり、数学研究会で毎年物理や情報学に関したペーパー(量子力学・強化学習など)を書いて学園祭で展示したり高校生向けの研究発表会に出場したり、副クラブ委員長も務めました。

  • 受賞歴はどのようなことを書きましたか?
  • 5つある欄を次のように埋めました。


    1. Robocup@Home(大学ロボコン):優勝


    人間の会話(自然言語)をロボットのコマンドに変換する機械学習モデルを作り、運よく優勝することができました。


    2. パソコン甲子園(全国競技プログラミング):二位


    競技プログラミング大会で運良く全国二位を取ることができました。競技プログラミングに対してははその後興味が薄れましたが…


    3. S -ISEF:ファイナリスト


    宇宙開発関連の選抜式の研究発表会でローバーとスワームテクノロジーを利用した地形探査のアイデアを理研の方々や当日いらっしゃった宇宙飛行士の油井亀美也さん向けに発表しました。


    4. 機械学習大会(大学生向け):三位


    5. SSH(研究発表会):最優秀賞

  • TOEFLやSATはどのように勉強しましたか?
  • どちらも市販の対策本を買って勉強しました。TOEFLもSATもかなりパターン化されている試験だと思いますので過去問演習をひたすらすることをお勧めします。

    過去問集はオンラインにもありますが、強いて過去問集ではない教材を買いたいと思っている場合はSATのBlack Bookがお勧めです。
  • 誰に推薦文をお願いしましたか?
  • 学校の先生は、英語・数学・担任の先生に書いていただきました。オプショナルの推薦状もあったので研究で二年間お世話になった某大学の教授とロボコンのメンターに買いてもらいました。
  • 受験中にやってよかったことはなんですか?
  • 同じ海外大学を目指す有志が集まる塾に入ってよかったと思います。同じ目標を持った仲間と切磋琢磨しながらエッセイを書くことができる環境だったり過去の先輩とつながることが出来て様々な面で成長できたと思います。
  • 日米併願した人はアドバイスをお願いします。
  • 理系数学に関するアドバイスだと、一対一対応の演習の六冊を暗記するくらい往復して勉強してから一つ上の問題集をクリアして過去問に挑めと高校で言われていました。
  • 受験のプロセスの中で一番苦労したことは?
  • プロセスではないですが、自らの国籍が大学合格にどのように影響するのかが少々心に引っかったまま受験期間を過ごしていました。国籍に関する様々な情報が飛び交う中で様々なソースから似た統計の数値が確認されているとなるとどうしても何かがあるんじゃないかと思いかねず、自分のコントロールが及ばない要因で結果が左右されるかもしれないという考えが頭から消えませんでした。
  • 受験生へのメッセージはありますか?
  • 一つ自信を持って言えるのは、結果—つまり、どの大学に認められるか否か—は実力と比例しません。海外大学、その中でも特にアメリカの大学の受験においては自分がコントロールできる要素は他の国の大学受験と比べてかなり多い方だと思っています(現に日本やイギリスの大学と米国の大学の受験を比べれば一目瞭然かと思います)。

    なので、不合格だった時になぜかを考えるのは意味ないですし、アメリカの大学に関しては行く大学で受けられる教育に大差はなく、いかに自分でどう行動力を駆使するかが重要です(要するに、大学生活の質はまさに自分次第です)。

    アメリカの大学の受験に関しては「何をしておけば大丈夫」というようなことは本当にないので、期待せず油断せず臨んで欲しいと思います。

     

    また、すでにいくつか合格をもらっている人への僕なりの考えですが、どの大学に進学するかを選ぶ基準は人それぞれだと思いますが規模が大きいリサーチ大学では、学内でどのコミュニティに所属するかも、大学生活の質に大きく影響します

    つまり、よりネームバリューのあるA大学から普通合格した場合と、A大学ほど有名ではないB大学から特待生として合格した場合は、特待生のコミュニティの人と深く関われる後者を選ぶのが良い選択だと思います。自分の目的に合わせて、大学内でもどのような人と関わりたいかを考えると、各大学の差別化が図れるのではないでしょうか。

     

編集者ひとこと

ロボットへの純粋な熱意と、成果からも伝わってくる精神的な強さに圧倒されつつも、お話を聴きながら、E.L.さんが次に成し遂げることを想像してワクワクしました!
取材を受けていただきありがとうございました。

  1. University of Chicago

    自分にこだわった先で生まれるアイデアと行動力

  2. University of Sussex

    留学を決めるのに「遅すぎ」はない!決めたら突き進むのみ!

  3. Imperial College London

    チャレンジ精神は大切に!

  4. Imperial College London

    後悔の無い受験にするために。英米併願者が語る、受験との向き合い方

  5. University of Oxford

    諦めなければ道はある!「自分がやりたいこと」を大切に!!

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