「良い大学はいっぱいあって、どの大学に行ってもいい経験はできる」

インタビュー by あやの

  • A.B.さんの基本情報
進学先 Carleton College(カールトンカレッジ)
専攻 English Literature
GPA(4段階) 3.9
TOEFL・IELTS TOEFL 109点
SAT・ACT SAT Reading 750 Math 800
主な課外活動・受賞歴 短期英語留学、コントラクトブリッジ、スペイン語の勉強
哲学オリンピック、留学奨学金、ディベート世界大会
合格した大学 (米)Carleton College, Grinnell College, Haverford College, Middlebury College, Wesleyan University
卒業年度 2021-2025
出身高校 都内私立
IB・AP どちらも受けていない
受験校数 合計10校
(米)リベラルアーツ9校、リサーチ大学1校
  • 海外大学進学を考えるようになったきっかけは?
  •  中3のときに英語の授業で英語の本を読んで、英語圏に住んでみたいと思ったのが最初のきっかけ。話されている英語に興味があって、学校で習うのは読み書きする英語だけだったから、英語圏に住んで、実際に話されている英語に触れたかった。とにかく早く住んでみたくて、一番早く住めるのが大学かなって考えた。で、高1の始めくらいからアメリカとカナダの大学受験について調べ始めた。

     高2の夏に一か月間カナダの高校に英語留学したのもすごい楽しかった。話されている英語ってこんな感じなんだなってのがわかって、より一層英語圏の大学に行こうって思えた。
  • 受験する際に、大学でやりたいことは決まってましたか?
  •  全然決まってなかった。具体的な内容は決まってなかったけど、でも、「いっぱい勉強したい。いっぱい英語の本を読みたい。」っていう思いはあった。高校の時、「たくさん本を読めるのは学生の間だけだよ」って先生から言われてて、だから大学に行ったらいっぱい勉強してたくさん本を読みたいとは思ってた。
  • 海外進学に関して、周囲からの反対はありましたか?
  •  家族からはほぼ無かった。柳井正財団の奨学金が早い段階で決まっていたおかげで金銭的心配がなくなったのが大きかった。家族から提示された海外大進学の条件は奨学金だったから、奨学金をもらえたのはよかった。

     親には「大学卒業さえしてくれればいい」って言われてたから、海外を目指すことはそれほど反対されなかった。ただ、何も考えないでただ行きたいって言うのではなく、ちゃんと卒業後のことも考えてよく調べた上で行きなさいって言われて、調べつつ、家族と話しつつ、海外大進学を決めた。

     自分の高校は海外大進学者を増やそうとしていたから、海外進学に関してあまり反対もされなかった。
  • どうやって志望校を決めましたか?
  •  四年間住むから、住む場所としての環境を考えた。

     まず大事にしたのは「都会か、田舎か」。ずっと東京に住んでるから田舎に住みたくて、田舎の大学を選んだ。次に、「大きい大学か、小さい大学か」。これは、小さい大学が良かった。東京は人が多いから、人がいない、小さい大学に行きたかった。人が少ないところに行きたかった。

     僕はほんと直感で瞬間的にこれを決めて、「田舎にある小さい大学」に志望校を絞った。

     

     出願校としては10校受けた。本当はもっと受けたかったけど、間に合わなかったのもあって結局10校になった。

     たくさん受けようと思ったのは、イベントで海外大のアドミッションズオフィスの人とか大学の先輩とかが来てくれて話をした時、「良い大学はいっぱいあって、どの大学に行ってもいい経験はできる」って言われたから、あまり大学にはこだわらないようにしてた。だから、絶対ここがいい、とかは思っていなかった。
  • エッセイに書いたことの中で印象的なもの、自信があったエッセイはありましたか?
  •  大学に入って一年後くらいにエッセイを全部読み返したんだけど、全部すごい稚拙に思えて。文章が下手なのはまだしも、構成とか内容とかすごい作られてる感じがして嫌だった。だから、自分のエッセイで特に自信がある、とかはないかな。。。

     

     でも、個別のエッセイが良かったというよりは、エッセイ作成でお世話になった Route Hの指導法がすごくよかったのは覚えてる。まずは自分のブランドを大きく考えて、それをより細かく、伝えたい部分に分けて、どれをどのエッセイで伝えるのかを考えるっていう、分析的なエッセイの考え方に惹かれた。自分の伝えたいイメージを客観的に分析して要素に分解して、それぞれのエッセイでその要素を伝えると、自分の全体像が伝わる。その考え方が面白いと思った。

     エッセイをがむしゃらに書くのもいいけど、効率的なのもいいなって思う。特に書き悩んでいる人は。何をやっていいのかわからない人は参考にしてみるといいかも。
  • 課外活動はどんなことをやりましたか?
  •  10個報告した。

     まずは哲学オリンピック。何かのオリンピックに出た方がいいって学校の先生とか塾の先生とかに言われて、哲学には興味あったし、締め切りもちょうどいいタイミングだったから受けた(笑) 言語学と地理オリンピックもやったんだけど、賞はもらえなかったし、やる気も出なかったから、哲学オリンピックだけ報告した。

     あと学校の部活。コントラクトブリッジっていうトランプの部活に入ってた。

     あと趣味でスペイン語を勉強してた。中3から英語の勉強にはまってたんだけど、高1からスペイン語の勉強も始めた。

     それから、近所の投票の推進委員会みたいなのに高3のときに入ってた。課外活動に載せるために一年だけやってた(笑)。

     近所で中学生に勉強を教える教育支援ボランティアも1年半くらいやったな。

     あとは細かいのを寄せ集めた感じ(笑)色々な場所でのんびりやってたのを、「これ書けるじゃん。」って思って書いていった。

     10個埋めるために色々頑張った(笑)
  • 受賞歴はどんなことを報告しましたか?
  • 5個報告した。
    ①柳井財団の奨学生に選ばれたこと
    ②哲学オリンピックで銅賞を取ったこと
    ③「トビタテ!ジャパン」っていう、高校生・大学生のための留学用奨学金に受かったこと
    ④コントラクトブリッジのインカレの新人戦でチーム優勝したこと
    ⑤WSC(World Scholars Cup の略。世界各国の高校生が対象の、アカデミックなディベート大会)の世界大会に出場したこと
  • TOEFLの勉強方法を教えてください!
  •  全部自力でやった。

     高校2年くらいからTOEFLに向けて勉強を始めて、ディクテーション(書き取り)をすごくたくさんやった。あと、自分で文章を音読して録音して、それを聞き返して、自分で聞き取りづらいと思った音を直す感じで発音練習を重ねた。

     あと、英語の小説をたくさん読んだ。TOEFLって小説はあんま出ないけど、でもそういうの関係なく中3の頃からたくさん小説を読んでた。あとは英語のドラマを見てた。TOEFL関係なくたくさん英語と触れ合った感じだったな。

     TOEFLだけのための勉強としては過去問集を解いていた。

     一番苦労したのはSpeaking と Writing。YouTubeでスピーキング形式の問題が解ける動画がたくさんあって、それをやったり、ライティングは練習問題(お題)がたくさんネットに載ってたから、それを解いてた。
  • SATの勉強方法を教えてください!
  •  これも自力でやった。SAT対策を始めたのは高2の秋から。

     数学に関しては、一回SATの過去問を受けてみた時、数学は単語さえわかれば行けると思って、英語の数学用語を一番最初に調べた。あとは、設問で意味がわからないところを確認して、問題に慣れていった感じ。それだけ。だから、数学の内容的には問題なかった。

     

     Readingは本当に難しいと思った。SATの練習問題って検索すると、けっこうたくさん出てくるから、それをたくさん印刷してやった。大問1個は10-13分で終わる(終わらせないといけない)から、高校の授業の合間とか昼休みに一個ずつ解くようにしてた。休み時間は10分しかないから、なんとか終わるように頑張ってた。タイマーをセットして、たくさん問題を解いた。あと、昼休みは図書館に行って、英字新聞(Japan Times)を読んで、とにかく英字で細く印刷されている文章を読み続けるようにしてた。SATの問題も、短い横幅で細長く印刷されてるから、止まらずに細い文章を読む練習をした。

     単語は、わからない単語が出たらマルを付けておいてあとで調べるようにしてた。英検1級の勉強をしてたときに単語帳(英検1級でるたん)を勉強したので、それはけっこう役にたった。あとは Medium Webster’s Vocablary Builder っていう、英語の辞書の会社が出してる英単語帳は役に立った。

     単語帳は、まずは買ったら全部目を通して、言葉の意味そのものをきちんと理解するようにした。やっぱ意味が分からないと言葉は理解できないから、まずは意味の理解。あとはひたすら反復。単語帳をブロックに分けて、1日1ブロックずつ、英語から日本語、日本語から英語に翻訳を繰り返してた。ちょうど高2の12月に英検一級の試験があって、それに向けて単語を勉強しておいたから、そのときの単語がSATにも散見されたから助かった。
  • 誰に推薦文をお願いしましたか?
  • 1.部活(コントラクトブリッジ)の顧問の先生

    2.現代文の先生。その人とはあんまり親しくなかったんだけど、全体のアプリケーションのバランスを考えて、授業を通して自分を知っている先生が必要だった。あと、自分は哲学オリンピックとかスペイン語の勉強を課外活動でやっていたから、文系の先生に書いてもらおうと思って。で、現代文の先生は書くのがうまいから頼むことにした。

    3.校長先生
  • 受験のプロセスの中で一番苦労したことは?
  •  エッセイはみんな苦労してるよね。エッセイはたしかに大変だった。でも、自分はそれ以上に課外活動と受賞歴が不安だった。輝かしいものがなかったから、見栄え悪いかなってずっと思ってた。

     論文に例えると、受賞歴とか課外活動は実験データ・サンプリングデータで、エッセイは論文の本文。だから、エッセイは何でも書けていくらでも付け足せるし、全体のバランスを見て他の出願項目と合わせられる。でも、課外活動とか受賞歴は嘘つけないしそのまま載せないといけない。それに、いい論文もいいデータがないと書けないから。だから不安だった。
  • 受験中にやってよかったことは?
  •  Route H に行ってよかった。アプリケーションに対するエッセイの客観的見方を教えてもらえた。あと、エッセイ添削をしてもらえたのも本当に助かった。でも、 Route H に限らずアメリカ受験について知っている人に支えてもらえたのはよかった。

     あと、いっぱい受けてよかった。だって、どれかには受かるから。
  • 振り返ってみて思うことは?
  •  やらなきゃいけないことはたくさんあって、何をどうすればいいのかわからなかったから、ほんと霧の中。でも、Route H とか海外進学イベントに行って色々教えてもらえたのは心のもやもやをはらせるからよかった。具体的なことがわかれば頑張ろうと思えるから。
  • 受験生へのメッセージはありますか?
  •  大学をいっぱい受けよう!とにかくアメリカに行きたいならたくさん受けよう!

     でも、メッセージは難しいな。。。人によってそれぞれ違うから。自分の思う方向に向かっていけばいいんじゃないかな。それでうまくいかなくても、人間万事塞翁が馬、ということで。

編集者ひとこと

色々かなりぶっちゃけで話していただきました(笑)「良い大学はいっぱいあって、どの大学に行ってもいい経験はできる」というのはその通りで、私の周りの留学仲間もそれぞれの大学で本当に充実した生活を送っています。「どうしても受かりたい」という強い意志も大事ですが、同時に、様々な大学を受けることによって、みなさんの可能性を最大限まで広げてみてはいかがでしょうか。

  1. University of Chicago

    自分にこだわった先で生まれるアイデアと行動力

  2. University of Sussex

    留学を決めるのに「遅すぎ」はない!決めたら突き進むのみ!

  3. Imperial College London

    チャレンジ精神は大切に!

  4. Imperial College London

    後悔の無い受験にするために。英米併願者が語る、受験との向き合い方

  5. University of Oxford

    諦めなければ道はある!「自分がやりたいこと」を大切に!!

海外進学Discoverers公式アカウント