- ぽたぽた焼さんの基本情報
進学先 | Harvard University(ハーバード大学) |
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専攻 | Psychology |
副専攻 | Computer Science |
海外滞在歴 | アメリカ:小学校時代 |
GPA(4段階) | 4.0 |
TOEFL・IELTS | TOEFL 111点 |
SAT・ACT | SAT Reading 730 Math 800 |
主な課外活動・受賞歴 | 文化祭実行委員長 、テニス部、政治団体の設立、政治家の元でインターン、国際会議参加、ビジネスコンテスト(全国)、スタートアップでインターン 奨学金、ビジネスコンテストでの表彰 |
合格した大学 | (米) Harvard University, etc. |
卒業年度 | 2021 - 2025 |
出身高校 | 首都圏私立 |
IB・AP | どちらも受けていない |
受験校数 | (米) リベラルアーツ大学5校、リサーチ大学8校 など |
- 海外大学進学を考えるようになった経緯を教えてください。
- 小学生の時にアメリカに滞在していたため、いつかアメリカに戻りたいという気持ちはありましたが、具体的にアメリカの大学への出願を意識し始めたのは高校生になってからです。
海外大学が優れていると思った点は主に3つあります。一つ目は、文理の区別なく、学問分野の垣根を超えて学べるということ。二つ目は、学生コミュニティの多様性。三つ目は、インターンや起業をする際のリソースの多さです。
また、高校時代、政治団体の設立やビジネスコンテストへの参加など様々な課外活動を行いましたが、そうしたユニークな活動を認めてくれるのは海外大学なのではないかという考えもありました。
- 高校時代に興味があったテーマや学問分野はありましたか?また、どのようにして専攻分野を決めましたか?
- 若い世代のために何ができるのか、というテーマに関しては常に興味がありました。実際、ビジネスコンテストでも、中高生をターゲットにしたアイデアを提案していました。また、チームで協力しながらプロジェクトを立ち上げるということがとても好きでした。ゼロからスタートしてプロジェクトを軌道に乗せるまでのプロセスは充実感があります。
米国大受験時、専攻予定の分野は社会学と記入しましたが、これはあくまで暫定的なものでした。現在は、文理の垣根を超えて学ぶことができる心理学を専攻しようと考えていますが、これもまた、今後変わるかもしれません。
- ユニークな課外活動を多数行っていらっしゃったようですが、課外活動は具体的にどのようなことを行い、それをどのようにしてアピールしましたか?
- 大きく分けると、「政治」と「ビジネス」という二つの柱がありました。
「政治」に関しては、米国、韓国、香港などにおいて、若い世代のための国際会議に参加しました。さらに、会議への参加にとどまらず、その経験を活かすためにも、政治団体を2つ設立し、若い世代の政治参加を促すための活動を行いました。政治には固いイメージがあるので、例えば、集会に招いた政治家と政治以外の話をする時間を設けるなどして、固いイメージを払拭するように努力しました。「ビジネス」に関しては、ビジネスコンテストや地方のスタートアップでのインターンを経験しました。
このほかにも、アメリカの大学への出願で重視される「学校コミュニティへの貢献」という意味では、文化祭実行委員長を務めたことが挙げられます。時に仲間と衝突しながらも、いいものを作り上げるために総力を挙げて取り組みました。時には校長先生に直談判し、ユニークな企画が通るように努力しました。
強調したいのは、これらの活動は全て、仲間と共に取り組んだものだということです。自分一人の努力では成し遂げられなかったことばかりです。
また、振り返ってみれば、模擬国連や英語ディベートなどの海外大学出願者に多い課外活動はあまり行っていませんでした。ユニークな活動が多かったので、他の出願者と比較されることが少なかったのは有利だったのかもしれません。
課外活動はやはり、好きなものにとことん打ち込むのがいいと思います。本当に好きでその活動をやっているのか、今一度自分に問いかけてみることが重要です。
- 執筆したエッセイの中で印象的なものや自信があったものはありましたか?
- 大学入学後のルームメイトに宛てて書くというお題のエッセイが印象的です。自分の小学生時代のあだ名を紹介したり、趣味のバイオリンについて嘲笑的に書くなど、お笑いのような要素を取り入れつつ自分を表現したエッセイになりました。大学の入試担当者は膨大な数のエッセーを読むと思うので、まわりの受験生と同じようなものを書かず、個性を見せることは大切だと思います。入試担当者を楽しませるくらいの心意気が必要です。
- 「ユニークさ」のほかに、エッセイを書くときに気を付けたことはどのようなことでしたか?
- エッセイは出願書類の他の部分で書けないような内容を書く場所なので、課外活動の記入欄などだけでは伝わらないことを書くのが重要です。何が起きたかだけでなく、その時どう思ったのか、感情の機微まで表現するように心がけました。
- エッセイはどのようなプロセスで執筆しましたか?
- 高校3年生の6月ごろから執筆の練習はしていましたが、実際に出願向けのエッセイを書き始めたのは8月ごろからです。エッセイのアイデアを出す際は、ブレインストームした上で、大まかな構成を記したストーリーシートを作成しました。この構想段階で、実際に書いてみるべき良い案と、書かないことにする案の選別を行いました。あまり良くない案に関しては、構想段階で捨てることも大切です。一度エッセイを執筆してしまうと、それを捨てることに抵抗を感じてしまうからです。
エッセイは自分を見つめる場でもあるので、日々感じたことを記しておく振り返りノートのようなものをつけていました。散歩しながら考えたことなど、ふとしたことでもメモを取っておくとエッセイを執筆する時に便利です。
- 誰に推薦文をお願いしましたか?
- 担任の先生のほかに教科担当の先生数人にお願いし、主に学校での様子について書いてもらいました。
推薦文は第三者に書いてもらうものなので、自分が先生からどのように評価されているかや、自分が他の生徒からどのように見られているかについてなど、第三者だからこそ書けることを書いてもらえるように依頼すべきです。
- SATの勉強法について教えてください。
- 良く言われていることかと思いますが、公式の対策本を何周もするのが一番だと思います。演習あるのみです。
ある程度の得点が取れれば、それ以上の得点圏に関しては、入試担当者側の評価はあまり差がつかないと思います。過度にテスト対策に力を注ぐよりは、他の項目において自分の中身をよりよくアピールできるように努力する方が良いかもしれません。
- 志望校はどのようにして決めましたか?
- 高校3年生になる春休みに複数の大学のキャンパスを訪問しました。先輩の日本人留学生に泊めてもらい、先輩の話を聞いたり、キャンパスの雰囲気を見たりしました。キャンパスの様子や先輩の生活の実情を見て初めてわかることもあるので、もし可能であればキャンパスを訪問するのはいいアイデアだと思います。
日本併願ははじめは考えていましたが、高校3年生になってからは海外大学の受験対策一本に絞っていました。二兎を追う形となって日米の大学受験のどちらかが中途半端になるのは嫌でした。
- 海外進学に関して、周囲からの反対はありましたか?
- 学校の先生には東京大学の受験を勧められました。数年前から海外大学進学者が出ている高校でしたが、海外大学進学はまだまだ未知のことが多い選択です。より確立された道があるが故に東京大学の受験を勧められたのだと思います。両親にはあまり反対されませんでした。
- 受験のプロセスの中で一番苦労したことは何ですか?
- メンタルヘルスの悪化でしょうか。いくらやってもまだ足りないという焦燥感や、周りと自分を比べた時の焦りなどから来るものだと思います。出願作業が大詰めの高校3年生の12月、1月は睡眠時間が短くなり、メンタルの状況は特に悪くなりがちでした。
こうした状況に対処するためには、自分なりの解決方法を編み出していくことが大切です。自分の場合は朝散歩するのが効果的でした。また、周りと比べすぎないことも大切です。
- 本ウェブサイトをご覧の海外大学志望者にメッセージをお願いします。
- 海外大学進学のためにできることなら何でもやるという、ある種の執着心が大切です。海外大学受験は情報戦なので、自分の場合は、海外大学関係のインターネット上の記事を読む、海外大学進学者から話を聞くなど、とにかく細かく情報収集をしていました。エッセイを書く際にも、エッセイのお題を一語一句取り出して分析し、質問の意図を考えるようにしました。本当に海外大学に進学したいのであれば、それくらいの執着心があってもいいと思います。
また、覚悟や勇気も必要です。アメリカの難関大学の合格率はわずか数%なので、そうした大学を受験することは、客観的に見ればリスクの多い挑戦かもしれません。ただ、本当にその大学に行きたいのであれば、その「数%」という数字は、挑戦を躊躇させる要因ではなく、むしろ、挑戦したいという気持ちをかき立てるものであるはずです。「人事を尽くして天命を待つ」という諺があるように、合格するためにできることは何でもし、あとは結果を待つのみです。
編集者ひとこと
高校時代から様々な課外活動に精力的に取り組み、あらゆる手を尽くしてアメリカの大学の受験に臨んだぽたぽた焼さんの言葉の端々からは、筆舌に尽くし難い大きなエネルギーを感じ取ることができました。ぽたぽた焼さんの仰る通り、リスクも多い海外大学受験に挑戦するには、覚悟や執着心が必要なのかもしれません。取材にご協力いただきまして、ありがとうございました。