- ひつじさんの基本情報
進学先 | University of Sussex(サセックス大学) |
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専攻 | International Development |
TOEFL・IELTS | IELTS 5.5点 |
主な課外活動・受賞歴 | 陸上部、音楽部、アルバイト、 部活関係 |
合格した大学 | (英)University of Sussex |
卒業年度 | 2021-2025 |
出身高校 | 地方公立 |
IB・AP | どちらも受けていない |
- 海外大学進学を考えるようになったきっかけは何ですか?
- 母が中国人で父が日本人と韓国人のハーフだったことがあり、小さい頃から自然と中国や韓国を中心に諸外国に興味がありました。その頃から、将来の夢は国連の職員になることでした。国連など、世界で活躍するための近道は、海外の大学に行くことかなと思ったのが、海外大学に進学することを考えたきっかけです。
ただ、高校生活は日本の大学に行くことを前提にして送っていました。海外大学は、日本の大学を卒業した後といった認識で、受験勉強を進めていました。ところが、高校三年生の秋に、やっぱり日本の大学では本当に勉強したいことはできないんじゃないかと、違和感を覚えました。国連を視野に入れていたので、国際関係学を学びたかったのですが、それが強いのはイギリスだと知って、一度しかない人生ならば、思い切ってイギリスに行ってみようと思い、当時通っていた塾などを辞めました。
それまで何もイギリスに行く準備をしていなかったので、その年に受験をできるわけではありませんでした。まずは、NIC International Collegeという、海外進学用の予備校に通い、英語の勉強や、出願の準備をして、一年後に出願することになりました。
- 国際開発や、国連に興味を持ったきっかけはなんですか?
- 一番は、親のバックグラウンドだと思います。それもあって、小学生の頃にニュースで見た、尖閣諸島の領土問題などに興味を持ちました。当時のニュースを見て、日本と中国は仲が悪いんだなと感じ悲しくなったのを覚えています。他にも、小学校、中学校の歴史の授業などから、日本人は中国人を嫌う傾向があるんじゃないかと思ったこともありました。
中学に入ってからは、ISILなどのニュースを見て、紛争を解決するような仕事につきたいと思いました。まずは、外務省に勤めることを考えましたが、それだと日本を中心に活動することになると思いました。世界各国で平等に活動ができて、影響力もある機関と考えた時に、国連で働きたいと思うようになりました。国連の中でも、国際開発や経済など色々な専門分野がありますが、まずは一般的な部分に触れようと思い、国際関係を勉強することにしました。
ちなみに、サセックス大学では一年目は国際関係と国際活発を両方勉強しますが、二年目からはどちらかを選ぶことになっています。サセックスでは国際開発の方が強いというのもあって、結局国際関係から、国際開発に軌道修正をすることになりました。
- 海外進学に関して、周囲からの反対はありましたか?
- まず、親に大反対されました。高校三年生までは日本の大学を受験するつもりで塾にも通っていたので、いきなりイギリスの大学に行くとい言い出しても、「何を言ってるの?」と取り合ってもらえませんでした(笑)。通っていた高校も、基本は日本の国公立を目指す校風があったため、海外大学と言うと困惑されてしまいました。結局、イギリスの大学の魅力をプレゼンして、先生方には納得してもらうことができました。その後も、親とは毎日議論が続きましたが、最終的には応援してもらうことができました。
- どうやって志望校を決めましたか?
- サセックス大学は、開発学が世界ランキングで一位だったことから志望しました。海外の大学に行きたいというよりは、Sussex大学に行きたいと思う気持ちが強かったので、基本はここ一筋でした。
ただ、一応他の大学のことも調べてはいました。UK University Fairといって、様々なイギリスの大学のアドミッション関係の人と話ができるイベントに行って、質問をしたりパンフレットをもらったりしました。他にも、開発学の知名度やランキングなどを調べた結果、SOASやUniversity of East Angliaなどがいいんじゃないかと決めました。
ただ、結局まずはサセックス大学を受けてみたところ、合格することができたので、他の大学は受けずに終わりました。
- パーソナルステートメントにはどのようなことを書きましたか?
- これまでに自分がやってきたボランティア、短期留学やアルバイトなどで培ったスキルや経験を中心に書きました。
特に、インドネシアで行ったボランティアに関して書いたと思います。インドネシアの日本語教室で日本語を教えたり、保育園で子どもと遊んだり、寺院の掃除をしたりしていました。他にも、中学の頃にオーストラリアに短期留学をしたことも書きました。ホームステイをして、日中は現地の学校に行って、週末などはホストファミリーと過ごす良い経験になりました。また、色々な経験をしてみたいということで、色々な種類のアルバイトをしていたので、海外に行った経験と合わせて、何事にも積極的にチャレンジしてみる正確だと自己PRをしました。
- 課外活動はどんなことをやりましたか?
- 主に部活動でした。陸上部と音楽部に所属していました。
また、パーソナルステートメントにも書きましたが、色々な経験をしてみたいと思い、多種多様なアルバイトに手を出していました。例えば、ネパール料理店や、塾講師やコンサートのアルバイトスタッフをやっていました。
- IELTSはどのように対策をしましたか?
- 正直、ほとんどIELTSだけのための勉強はしていませんでした。
毎日NICの課題に追われていて、気づいたらIELTSの日になっていた感覚です。
それでも、何度か過去問に目を通して、傾向だけは頭に入れるようにしていました。スピーキングやリーディングは簡単には伸びないだろうと思ったので、ライティングに力を入れることにしていました。IELTSのライティングは割と決まった形式に乗っ取って書くことが大切なので、その練習や、いくつか使えそうな単語を準備しておきました。
IELTSのための勉強はあまりしていませんでしたが、全体的な英語力という面では、NICの毎日の勉強がかなり役立っていたと思います。
- 誰に推薦文をお願いしましたか?
- NICのスタッフに書いてもらいました。
特に、書いて欲しいことをまとめてお願いしたわけではなく、出願サポートの一環として、お願いする前に書いてくれていました。
海外大学専用の予備校なので、推薦状のノウハウもたくさんあったのだと思います。
特に、Sussex大学は卒業生が行っていたことのある大学だったので、大学のアドミッションとも面識があったらしく、的確なサポートを受けることができました。
- <ひつじ>さんのお話に、何度かNICという予備校が出てきていますが、NICで勉強していたことについてもう少し詳しく教えてください。
- NICというのは海外進学に特化している予備校で、高校を卒業した後に通って、英語などの授業を受けながら出願のサポートも受けられます。また、一部の大学に行く場合、奨学金も少しですがもらうことができます。
私が通っていた校舎には、少人数制のクラスが4クラスあって、入学時に英語のテストを受けてクラス分けが行われます。私は最初、上から2番目のクラスでした。
授業内容は、レクチャーを聞いたり、エッセイを書いたり、課題図書を読んでそれについてプレゼンをするなどです。全体的には、プレゼンが多かったと感じました。グループプレゼン、個人のプレゼン、スライドを使うもの、使わないものと一通りの形式を経験できました。テッドトークのような感じで、一人10分くらいのスピーチを完全に記憶してスライドも作ってやることもありました。人前で話す練習になり、度胸がつく授業でした。
一番上のクラスでは、人類学の授業などもあったようで、アメリカの大学であれば単位がもらえることもあったみたいです。大学の授業を教える資格のある先生をよんだりもしていました。他のクラスでも、基本は英語を使って世界史の内容に触れたり、時事問題を扱ったり、英語を勉強するっていう感覚よりかは、英語を使って色々な勉強をしていました。
定期的に行われるテストの結果によっては、クラスが上がることもありました。その付近は単語の勉強とかも徹底するいい機会になりました。
個人的に、クラス分けがされていたのはよかったと思います。クラスを上げようとするのは良いモチベーションになりますし、クラスごとに周りが同じレベルだったのもよかったです。
- 受験のプロセスの中で一番苦労したことは何ですか?
- NICで一年勉強していたので、受験の何かというよりは、NICの課題が多かったことです。
むしろ、IELTSやパーソナルステートメントはNICの勉強の合間にやっていた感じでした。
英語だったのもあり、かなり大変だったのですが、今振り返ってみると楽しかったと思えます。
- 受験中にやってよかったことは何ですか?
- NICに通っていた期間、毎日英語に触れていたことです。リスニング、リーディング、スピーキング、ライティングの全部をしていました。まさに、毎日英語に浸っていました。
聞く曲とか、映画とかも洋楽、洋画に変えました。自分でも、できるだけ英語漬けにするように努力していました。
サセックス大学は、ファウンデーションではなくInternational Year Oneといって、いわゆるファウンデーションと学部の一年生が一緒になったコースがあります。これだと、周りと同じで計3年で卒業ということになります。ファウンデーションがない分、日本で英語を勉強しておいてよかったと思いました。
- 振り返ってみて思うことは?
- NICに通っていた頃は、正直できる限りの努力をしたと思います!
それもあり、第一志望に受かったことはすごい達成感がありました。
ただ、当時思っていた以上に、受かったことはただのスタートでした。
受験勉強以上に、入ってからが大変だし、本番だなと今になって思います。
入学してからは、周りのレベルが高すぎて、ついていくのに必死で少し諦めていた感もありました。ついていこうとしても、NICにいた頃ほどガツガツしていなかったと思います。
もっとくらいついて、英語も上達させて、ディスカッションにも参加すれば、もっとできるかもしれないと改めて思います。
入学してからのモチベーションが下がらないように、受かってからが本番だと思ってることは大切だなと思いました。
- 大学に入って、楽しいこと、やっぱり海外で良かったと思うことは何ですか?
- なんといっても、色々な国の人がいるところです。食べ物とか、価値観とか全てに違うものを感じます。話していて面白いんです!あと、単純に色んな国の人と友達になれるのが嬉しいというのもあります。
あとは、英語が上達しているのが感じられて楽しいというのがあります。
結局は、毎日がなんだかんだで日本では経験できなかったことだと思うと、貴重な体験になっています。シェアハウスをしていることや、ハウスパーティーに行ったこと諸々が楽しいです!!
- 受験生へのメッセージをお願いします!
- 一度しかない人生なんで、自分のしたいことをしてください。
頑張って!!
編集者ひとこと
やりたいことができる道を選ぶために、一年間進学を遅らせるという決断力と行動力に衝撃を受けました。高校三年生になってから海外を目指し始めても、遅すぎということはない、ということですね!海外進学にも様々な道があるんだなということも、改めて勉強になりました。