- HNさんの基本情報
進学先 | University College London(ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン) |
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専攻 | Politics , International Relations |
海外滞在歴 | 小学5年〜中学2年 |
TOEFL・IELTS | IELTS 8.0点 |
主な課外活動・受賞歴 | 主にボランティア活動:ケニアで開発ボランティア、地域の小学校で英語教室を開く、など |
合格した大学 | (英)University College London, King's College London, SOAS, Sussex University (日)上智大学 <AO入試> |
卒業年度 | 2021-2025 |
出身高校 | 都内のインターナショナルスクール |
IB・AP | IB 39 |
受験校数 | (英)5校 (日)私立1校 <AO入試> (米)リベラルアーツ3校 |
- 海外大学進学を考えるようになったきっかけは何ですか?
- 通っていた高校に、国際バカロレアコースといって、世界で通用する高校卒業資格を取得できるコースがありました。それについて知ったのは中学生の頃で、体験授業に行ってとても気に入りました。高校受験の際に国際バカロレアコースを選び、せっかく国際バカロレア(IB)が取れるのなら、と海外進学を考え始めました。
- 海外進学に関して、周囲からの反対はありましたか?
- 特に親から反対されました。私はメンタルが弱い方なので、海外で一人暮らしができるのか心配とのことで、反対されていました。
結局、国際バカロレア(IB)で大変な思いをしながらも頑張って勉強しているのを見て、それなら海外でも大丈夫だろうと納得してもらうことができました。
- 政治と国際関係学を専攻しているとのことですが、興味を持ったきっかけは何ですか?
- もともと、児童貧困や教育格差、特に女性の教育に興味がありました。大学では、学問的な視点から、そういった社会問題を解決する方法を勉強したくて、国際関係学と国際開発学に興味を持ちました。
- どうやって志望校を決めましたか?
- 二つ重視したことがあります。
一つ目は、都会に住みたいということです。郊外は何かと不便ですし、大学以外何もない環境というのは嫌でした。課外活動の機会も、遊ぶ場所もすぐ近くにある環境が好きなので、ロンドンの大学を中心に選びました。
もう一つは、国際関係学・国際開発学を学べるということです。奨学金をもらう必要があったので、奨学金が出そうな大学の中で、国際関係学、国際開発学が強かったのがUCLでした。結構ここのリサーチは、ランキング頼りでしたね。
- エッセイ(パーソナルステートメント)にはどんなことを書きましたか?
- 政治や国際関係学部で学ぶ準備ができている、ということをアピールしました。主には、これまでにやってきた関連分野の活動を紹介し、アカデミック面に関しては読んだ本の紹介もしました。いかに、高校時代に、志望先の学部で能力を発揮するための下積みができているか、ということがイギリスの大学入試では重視されると聞いていましたので。
エッセイの流れとしては、
【この学問に興味をもったきっかけ→さらに学ぶために高校時代にしてきたこと→自分が書いたEE(IBプログラムの中で書く論文)について→イギリスで勉強したい理由と自分のバックグラウンド→IA(IBプログラムにおける課題)、地理の授業、自分で読んだ本などから身につけたスキル】
といった感じでした。自分が持ってるスキルに関しては、データ分析力、国際的な視野、環境変化の中でのレジリエンスと多様性を受け入れる力、挑戦を楽しみ、熱意を持って物事に取り組む力、探究心と批判的&多面的な分析視点について書いていました!スキルはかなり盛り込みましたね(笑)
- 課外活動はどんなことをやりましたか?
- イギリスの大学入試では課外活動が重視されるわけではないので、IBプログラムにおける課外活動の項目をクリアする程度で、あまり力を入れていませんでした。
印象に残っているのは、、ケニアに二週間の開発ボランティアに行ったことです。郊外の孤児院や小学校に行って、教育現場を見学したり、子どもと遊んだりしました。結構肉体労働もあって、水路を掘ったりもしました。開発ボランティアでどんなことができるのか、私のやったことは本当に必要だったのか?ということを考えるきっかけになりました。
他には、「しみじみプロジェクト」という活動をしていました。このプログラムはどういったものなのか説明すると、例えば「しみじみ」という言葉は英訳できませんよね。そういったところに見える日本人の趣みたいなものを、社会学・数学等のいろいろな角度から分析する活動でした。
また、地域の小学校で英語教室を開いていました。
- IELTSの勉強方法を教えてください!
- 一冊本を買って、ひたすら問題を解きました。ライティングは形式がちょっと特徴的だと親が調べて教えてくれたので、特に練習しておきました。とはいえ、一人で頑張っただけで、誰かに見てもらうことはありませんでした。
- 誰に推薦文をお願いしましたか?
- イギリスの大学に出した推薦文は、高校のイギリス人の先生にお願いしました。授業を頑張っていたので、気に入ってもらえていた先生です。その先生にはパーソナルステートメント(イギリス大学に提出するエッセイ)を添削してもらっていたので、そこで書ききれなかったことを意識して推薦状に書いてくれました。やっぱり、できるだけ詳しく、良いことを書いてもらいたいので、たくさん質問をしに行ったり、日々の授業に一生懸命取り組んだりすることで、日頃から先生によく評価してもらえる生徒であることは大事だと思います(笑)
- 受験のプロセスの中で一番苦労したことは?
- 一番苦労したのは、IBの勉強です。受験期だけでなく、継続的に大変でした。IBの課題、普段からの勉強、テストが難しくて、出願の準備はその大変さを超えることはありませんでした(笑)
- 受験中にやってよかったことは?
- IBで思考力や、エッセイの書き方を身につけておいたのはよかったです。例えば、与えられた情報を常に疑い、自分で判断する力などでしょうか。IBの2年間で、そういったスキルを自然と身につけられたことで、やっと大学のクラスメイトと同じレベルに立てている気がします。IBの経験なしで、代わりに一年間のファウンデーションコースを受けていたら、本当に苦労していただろうと思います。
- 他に、振り返ってみて思うことはありますか?
- 奨学金の面接のための練習をしていたのは、今思えば正解でした。(面接の時期が早かったので)受験が佳境に入る前に自己分析をすることができましたし、インターン探しの際などにも役立ちました。
逆に、もっとニュースを読んだり、英語のボキャブラリーを増やしておくべだった、とも思います。
大学に入って感じたのは、授業の議論についていくだけの知識量が全然足りていないということでした。Aレベル(イギリスの高校生が大学進学のために受ける国際資格)の知識はかなり専門的なので、Aレベルをやってきた人と同じ土俵に立つには、それなりの知識が必要です。
また、ボキャブラリーがないとエッセイが小学生みたいになってしまいます。イギリス出身の学生は文の構成からワードチョイスまでおしゃれで、追いつくのが大変でした。
- 卒業後の進路はどんなことを考えていますか?
- 最終的には、国内のジェンダー問題に関わる活動をしたいです。女の子のエンパワーメントですね。誰もが、性役割などの固定観念に縛られずに、夢を追いかけやすい社会を作る働きかけがしたいと思っています。まだ、具体的にどういう立場、方法で関われば良いのかわからないので、それを見つけることが現在の課題です。
ちなみに、今はNGOで性暴力・性的同意の教材を中高生向けに作る活動をしています。将来どんな活動をするにせよ、わかってくれる人にだけ伝えても意味がないので、多くの人にアプローチするための方法を考えるようになりました。教材作りで、マジョリティに響く説明をするためのスキルを学んでいます!
- 受験生へのメッセージをお願いします!
- あんまり気負いすぎずに臨んでください!いわゆる、良い大学に行った方が良いっていうのもあるとは思いますが、就職するにしろ、夢を叶えるにしろ、受験の結果より大事なものがあると思います。大学生活、その後の社会人生活をどう過ごすかが重要だと思います。「失敗」や「手遅れ」はなくて、常に目の前のチャレンジを掴みに行けば、どんな場所でも有意義な生き方ができると思います。
たまには休憩もして、頑張ってください!
編集者ひとこと
私もIBを取っていましたが、忙しい状態が長く続きますよね。HNさんがIBを頑張る姿を見て、ご両親が海外でもやっていけると納得してくれたという話が、とても印象的でした。IBの頃も、大学に入ってからも、常に努力をしているのが伝わってくるHNさんの、「どこに行くかじゃない、自分がどう過ごすかだ」という言葉がとても響きました!