自分の言葉で、自分と向き合って、後悔のない受験を。

インタビュー by あやの

  • JNさんの基本情報
進学先 Yale University(イェール大学)
専攻 Computer Sciences , Economics
海外滞在歴 7年(6-13歳)
GPA(4段階) 3.95
TOEFL・IELTS TOEFL 117点
SAT・ACT SAT Reading 740 Math 800
主な課外活動・受賞歴 ディベート日本代表
合格した大学 (米) Yale, Princeton, Stanford, Columbia, Swarthmore, Wellesley, Pomona
(日)慶應大学〈AO入試〉
卒業年度 2021-2025
出身高校 都内私立
IB・AP どちらも受けていない
受験校数 合計10校
(米)リベラルアーツ 5校、リサーチ大学 5校
(日)私立 1校 〈AO入試〉
  • 海外大学進学を考えるようになったきっかけは?
  •  国内では海外大受験が盛んな高校に通っていて、先輩が海外大に進学していたのを見て、選択肢として「海外大進学」の存在を知った。でもずっと国内大と迷ってて、高2のときは日本の大学行こうと思って受験勉強をしていたけど、なかなか決めきれてもいなくて。

     自分的に行かなきゃって思ったのは、ディベートの世界大会に日本代表で出たとき。高1,高2で選ばれたんだけど、その世界大会で日本代表としてぼろ負けした。シンガポールとかイギリスとかオーストラリアのディベートチームは、選考の厳しさも競技人口も全然違う中で勝ち上がってきていて、自分だって2年間本気でやってきたけど、それでも全然かなわなかった。自分のレベルの低さを思い知った。自分は世界レベルでは戦えないって痛感した。

     それで、そこで戦ってる人たちが世界のトップ大に通うのを見て、このまま日本にいたら取り残されると思って、アメリカの大学に行きたいと思った。すごい焦ったのを覚えてる。
  • 受験する際に、大学でやりたいことは決まってましたか?
  •  決まっていた。当時は社会学とかジェンダーとか行政とか、社会を動かすことをことをしたいと思ってたから、そういう学問に興味があった。

     根幹として、社会を動かしたいってのは今は変わってないけど、大学に行って、その方法として経済とかデータがあるってことに気づいて、今は経済とCSの2つを一緒に専攻している。
  • 「社会」に興味を持ったきっかけは?
  •  小さいときから人の観察するのが好きだった。友達が遊んでる間、私はお母さんたちの隣でみんなを見てる、みたいな子ども時代だった。

     あとは、自分の母親は自分から見たらすごい優秀だけど、社会の中ではお母さんの優秀さに相応した仕事をできていないのを見ていて、お母さんのポテンシャルを活かしきれない社会システムにも疑問を思っていたし、しかも、そんなお母さんを見てよくわかっていないのに適当なことを言うおじさんとか日本社会への怒りもあった。

     それで社会に興味を持った。
  • 海外進学に関して、周囲からの反対はありましたか?
  •  家族は放任主義だから特に反対されなかった。

     高校も、海外大進学者が多かったから特に反対されなかった。

     でも、受かるかなんてわからないから、それを心配する人は多かった。大変だよって学校から言われたり、兄弟が海外進学目指してうまくいかなかった友達からも心配されたし。不安はあった。でも、最悪浪人すればなんとかなるって思ってたから、海外進学に向かって進んでいった。
  • どうやって志望校を決めましたか?
  •  単純に、高校の先輩が受かったことのある大学を見て、その中で、ネームバリューと、大学の評判(日本での評判だけじゃなくて、先輩の話とか、世界での評判も含めて)をふまえて選んだ。海外大に通う先輩に大学の話を聞いたとき、その人が楽しそうに話してるか、とかは大事にした。

     ネームバリューを大事にしたのは、単純に、得するから。いい大学に通ってるって思われた方が絶対に得。それだけで大学を決めるのは違うけど、でも、現実、ネームバリューは得する。ネームバリューで大学を選ぶことになんだか悪いイメージを抱かれがちだけど、でも、これはすごい大事だと思う。

     高校のカウンセラーに志望校を伝えたとき、高望みしすぎだとは言われたけどね。でもまぁ、それで怒って、そのまま出願しました(笑)
  • エッセイに書いたことの中で印象的なもの、自信があったエッセイはありましたか?
  •  やっぱりコモン・アプリケーションのエッセイかな。当時自信があったわけではないんだけど、大学に受かった今だから、「自信がある」って言える感じ。

     英語の授業の課題で詩を発表した時の話で。その課題では、他の人の詩を発表してもいいし、自分の詩を作って発表してもよくて、最初は、ある詩人さんが書いた、「ありのままでいいんだよ」ってうテーマのすごいキレイな詩を発表することにして。その詩人さん自身による詩の発表も動画になってたから、それを真似してすごい綺麗な発表をしようと思ってた。で、発表の練習で彼女の真似をしてるときに、どんどん自分が彼女になっていってる気がして、そのとき、彼女自身に、「ありのままでいいんだよ」って言われてる気になった。そこで、彼女の詩を、彼女の真似をして発表するんじゃなくて、自分の詩を書いて発表することにした。

     私は帰国子女で、6歳のときにイギリスに行って、まわりの話し方を真似して英語を話し始めて、日本に帰ってきたら、今度は日本の文化に溶け込むために周りの友達の真似をして、いつの間にか真似をするのがうまい人間になってて。そのせいで自分を持てていない気がして。自分の言葉で、自分の詩を発表することで、ありのままの自分になれた気がした。それをエッセイに表現した。
  • 課外活動はどんなことをやりましたか?
  •  全部で10個報告した。

     まずはディベート。中2でディベート部に入って、中3から本格的にやり始めて、大学生が出るような大会にも出ていた。今思うと、ディベートとか表現活動がけっこう中心だった。

     学校の部活にあんまり自分が合っているとは思わなかったから、高校の外でできる活動を自分から探した。学校の部活って、とりあえずたくさん時間がとられるのが嫌で。自分はもっと他にやりたいことがたくさんあったから。

     課外活動は、本当に、やりたいことをやってた感じ。具体的に列挙すると、

    ・チルドレンズエクスプレス(高校生が記事を書く団体)で記者をやっていたこと

    ・ディベート日本代表4年間

    ・ディベート部

    ・ボランティア部

    ・フェミニズムに関する団体のメンバー(学校外)

     

     音楽とかスポーツに関する課外活動は報告しなかったな。やってなかったから(笑)
  • 受賞歴はどんなことを報告しましたか?
  •  全部で5個報告した。

     

    1.学校で論文を書いたのが、全国のコンクールで表彰された

    2.大学生のディベート大会で優勝

    3.学校でHarvard Book Prize をもらった(海外大に行くポテンシャルのある優秀な学生を表彰する賞)

    4.高1のとき環境問題に関する国際会議に出て、プレゼンテーションをして優勝(グループ)

    5.柳井正財団から奨学生として選ばれた
  • TOEFLはどうやって勉強しましたか?
  •  海外歴が長く、英語力はあったので、TOEFLはあまり問題なかった。TOEFLに向けて勉強を特にしたわけでもなく、ただ形式に慣れるために問題を少し解いただけだった。で、高3の4月に一発で117点を取った。だから、あんまり参考になるようなことは話せないかな。。。
  • SATの勉強方法を教えてください!
  •  自分でテキストを買って、一か月集中的に、ひたすら解く感じ。それ以外無い。ただ解きまくって自分でコツをつかむしかないと思う。

     TOEFLと同様、英語力はあまり問題なかったから、あとはテスト形式に慣れるのが大事だった。だらだら勉強するのは自分に合わなくて、短期間で集中的に取り組むことで、テスト形式に慣れて、慣れた脳みその状態のまま本番のテストを受けるのが、自分的には一番良かった。あと、めんどくさがり屋だから、一発で終わらせたくて、本気で集中して取り組んだ。
  • 誰に推薦文をお願いしましたか?
  •  私の高校は海外大受験が盛んで、海外大専門のアメリカ人のSC(スクールカウンセラー)がいるから、その人にSCとしての推薦状を頼んだ。

     あと2人は、アメリカ人の英語の先生と、古文の先生。

     英語の先生には今まで推薦状書いた経験があって、自分が知ってる海外大の先輩の推薦状も書いてたから、いい推薦状を書けるんだろうなって思って頼んだ。あと、彼の英語の授業の成績もよかったし、授業も真面目に取り組んでいたから、彼に推薦状を書いてもらうことで、授業での積極的な様子とか自分の英語力を見せれば、アドミッションズオフィサーに「この子はアメリカに来ても大学でやっていける」って思わせられると思った。

     古文の先生は、中2で編入した時からお世話になってる、学年の先生。はじめは古文はチンプンカンプンだったけど、授業のあとに質問をたくさん聞きにいっていたから、頑張って努力してできるようになった、ってことをアピールできるかな、って思った。あと、自分の古文への興味を見せることで、ただ帰国子女で英語ができるってだけじゃなくて、自分の日本人らしさも見せられるかなって思った。

     
  • 受験のプロセスの中で一番苦労したことは?
  •  エッセイで自分をどうやって表現するか。

     ハーバードにアーリーで出願したんだけど、ディファ―(保留)されたとき、本当に苦しかった。どこが悪くてディーファーされたのかとか、何をどうすればいいのかは大学は教えてくれないから、何から何まで全部読み直して、ちゃんと自分を表現できてるかな、とか考えて、全部イチから書き直した。

     自分の中で特に大きかったのは、レギュラー締め切り目前の12月半ばから完全に新しい共通エッセイ(Common Essay)を書き始めたこと。それまでは塾の先生にしかエッセイを見せてなかったけど、ディファ―されたあとは、高校の英語の先生にも見せて、今まで読んでもらったことない人にも見てもらって、自己表現をすることを意識した。

     はじめは自己表現ってどうすればいいのかよくわからなかったから、先輩のやってることを真似したり、塾の先生に頼りきりだったけど、ディファ―された以降は、ちゃんと自分のアイデア、自分の言葉で自分を表現するようになった。
  • 受験中にやってよかったことは?
  •  性格診断テスト。

     テストが絶対正しいとは思わないけど、自分が誰なのかわからなくなったときに、色々やってみて「こういうのはあてはまるな」っていうのを客観的に見てた。自分がどういう人なのかを自分で客観的にとらえるってできないから、自分を客観的に見る方法を色々探してて、たどり着いたのが性格診断だった。

     「あなたにはこういうところがあります」って診断されて、「あ。そういえばそうかも。。。」って感じで、診断をきっかけとしてアイデアとか経験を思い出してた。
  • 受験を振り返ってみて思うことは?
  •  やっぱりエッセイが一番大変。でも、アプリケーションパッケージの中で、エッセイが一番コントロールできる。だから、受験のときはエッセイに集中した方がいい。もちろんエッセイ以外も、推薦状も、課外活動も、テストも、その他全部、ある程度揃えた上で、エッセイに集中。

     よくも悪くも今までの自分の全部が出るのがエッセイだから、ごまかしがきかない。結局ありのままの自分を隠したってプロの入学審査官相手にはバレるんだから、エッセイって自分を隠せないようにできてるから、どっかで絶対に嘘はバレる。だから、もう割り切るしかない。やれることだけ全力で頑張って、できないことはできない。それでいい。ただ、ありのままの自分をちゃんと表現するしかない。

     私が最終的に大学に送ったエッセイは、「これで落とされるんだったらもういいや」っ思いで提出した。自分は書きたいことは全部書いたから、受からなかったとしても後悔はない、って思えた。

     そういう受験ができるといいなって思う。
  • 受験生へのメッセージはありますか?
  •  私が合格してる大学見たら、もしかしたらなんかすごい人に見えてるかもしれないけど、私は全然すごくないよ。私だって不安あるし、みんな不安だし。でも、不安な中でも後悔の無いように受験するといいと思う。少なくとも私は、結果がどうであれ、後悔はなかった。

     海外大受験を迷っているようだったら、やらないで後で後悔するくらいなら、試しにやってみればいい。もし海外全落ちしたって、浪人すればいい。もちろん、家庭の状況とかで浪人できない人はいるとは思うけど、でも、もしそれが許されるんだったら、最悪浪人すればいいって思えば何だって大丈夫。

編集者ひとこと

アーリーアプリケーションの結果が良くなかったことで、エッセイを全部見直した、という話が印象的でした。時間をかけて練り上げてきたエッセイをイチから書き直すのは、本当に勇気と根気のいる作業です。しかし、自分を見つめなおし、自分と真正面から向き合ったからこそ、後悔のない受験ができたのだと思います。

  1. University of Chicago

    自分にこだわった先で生まれるアイデアと行動力

  2. University of Sussex

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  3. Imperial College London

    チャレンジ精神は大切に!

  4. Imperial College London

    後悔の無い受験にするために。英米併願者が語る、受験との向き合い方

  5. University of Oxford

    諦めなければ道はある!「自分がやりたいこと」を大切に!!

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